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2020/09号

姫路藩幕末シリーズ(2) 志士上陸地と飾磨街道

(姫路市飾磨区)




 かつては飾磨津と呼ばれていた姫路港の少し北、飾磨区大浜にある岡上家の板塀の端に「魚屋堀跡 志士上陸地碑」が立っている。魚屋は岡上家の屋号。今は埋め立てられているが、岡上家の門前には魚屋堀という堀が開かれ、周囲に蔵が立ち並んでいたという。

 文久3(1863)年に、その魚屋堀に降り立ったのが、元福岡藩士の平野国臣や長州の奇兵隊士ら尊王攘夷派の志士たち。大和国で決起した天誅組に呼応し、生野銀山を治める生野代官所を襲うべく道を急ぎ、代官所を無血占拠するが、救援に駆け付けた出石藩兵らの前にわずか3日で敗北。夢はついえるが、その5年後には幕府が倒れ、明治維新を迎えていることから、この「生野の変」は明治維新の先駆けとして評価されている。

 今回のメルマガは、志士たちが上陸した「大浜」からスタートする。地元の古老によると大浜は昔は色街で、料理屋なども多かったそうだが、細い道や路地が東西に、あるいは南北に走り、つい迷い込みそうな雰囲気。いかにも戦前に建てられたような古い町家も多く、レトロ感満載である。

 界隈を北に上がると東西に走る道とぶつかる。かつての浜街道で、西に向かうと参勤交代の西国大名が泊まる本陣が6軒もあったという古くからの港町・室津(たつの市御津町)に至り、東に向かうと「宮」地区に出、やがて飾磨街道につながっていく。飾磨街道は姫路城下で生野街道へと続いていくので、まさしく生野の変の志士たちが辿ったコースを進むわけである。

 浜街道と飾磨街道が交差するこのあたりにも、日除けのすだれが掛かった古い町家や道標、それにかつてはあちこちにあったニューセンター(商店が寄り集まった施設)の建物などが残り、「昭和」が匂い立ってくる。

 そこから、今も賑やかだった商店街時代の面影を残す飾磨街道を北へ、山陽電車の飾磨駅の方角に歩いていく。この道は明治の初めには飾磨津と生野鉱山を結ぶ生野鉱山寮馬車道として活躍した道で、「播但貫く、銀の馬車道 鉱石の道」として日本遺産に認定されている。道沿いにはレンガ造りの煙突の銭湯や、「旅館」という看板に心惹かれる宿などがあり、古き良き時代が偲ばれる。

 一本、東に道をとれば、江戸時代の終りまで船着場として栄えた「東堀」地区で、往時を偲ばせる豪壮な町家が数軒残っており、アングル次第では面白い絵が描けそうだ。

 元の飾磨街道に戻り、山陽電車の踏切を渡って北上していく。ところどころに古い町家も残っているが、さほどのことはなく、やがて左手に亀山本徳寺が現れる。姫路城、書写山円教寺と並ぶロケ地として有名な寺院だが、こちらに関してはまた稿を改めたい。

「心で旅する姫路」Presented by Himeji FC

姫路の魅力を心で楽しみ、旅した気分になろう

姫路の魅力をフィルムコミッション目線で、動画や写真にてご紹介させて頂く「心で旅する姫路」サイトにて2本の動画をUPしましたので是非、ご覧頂けたらと思います。
【心で旅する姫路ウェブサイト】
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※インスタグラムでも配信していますのでフォローの程、よろしくお願いします。

令和2年9月版 姫路城入城記念書(御城印)販売
令和2年9月1日(火)から9月30日(水)まで、姫路城入城記念書(御城印)を販売いたします。
令和2年2月に一ヶ月の期間限定販売をした姫路城入城記念書(御城印)につきまして、再販に関するお問い合わせを多数いただいておりましたため、この度秋の観光シーズンに合わせて再度販売することとなりました。

【令和2年9月販売 姫路城入城記念書(御城印)概要】

■販売期間:令和2年9月1日(火)〜30日(水)
■販売時間:9:00〜17:00
■サイズ:A6
■販売場所:姫路城内売店(姫路観光コンベンションビューロー直営売店)姫路城出改札横
■販売価格:300円(税込)
■販売元:公益社団法人姫路観光コンベンションビューロー
■注意点:
(1) お一人様一枚限りとさせていただきます。
(2) この度の販売に関しましては姫路城に入城された方に対しての販売とさせていただきます。購入の際に入城券の半券若しくはそれに類するものの提示をお願いいたします。
(3) 販売枚数は限定させていただきます。1日の販売枚数は平日300枚・土日祝600枚の予定です。
<令和2年2月販売分との変更点>
■家紋:酒井家の家紋である剣酢漿草(けんかたばみ)であることに変わりはないのですが、姫路市が大名行列の衣装を復刻する際に参考にした絵巻で使用されている家紋をモチーフにしたものに変更しております。

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