メールマガジン

最新の記事

2017/08号

身近な里山林を映し出せる姫路市自然観察の森

(姫路市太市中)




 姫路市の中心部から北西へ車で20分。市内随一の広さを誇る桜山貯水池と、緩やかな稜線が続く緑豊かな山に囲まれるようにして、姫路市自然観察の森がある。

 約60ヘクタールもある敷地の大半は雑木林で、最大標高は約180メートル。その中に総延長約8キロメートルの自然観察路が設けられており、数年前に実際にシカと遭遇したこともあるのだが、森の中では様々な植物や小動物、野鳥、昆虫などと出会うことができる。従って森林浴やバードウォッチングを楽しむ来園者が多いのだが、映像に収める際には、野鳥の澄んださえずりそれ自体が得がたい効果音になるに違いない。

 木々の間を縫って続く散策路は目立った人工構造物も少なく、山中を走る江戸時代の街道に見えなくもないが、簡易舗装が施されていたり、階段状になっているところもあるので、ただちに時代物の街道に見立てるわけにはいかないが、場所によっては散策路の脇に枯葉が降り積もった土道もあり、こちらの方は充分使えそうである。

 だが、結論から言えば、それよりも園内にはコナラの雑木林やヒノキ林、貴重な植物の生える湿地や草原、ため池など多彩な自然が見られるので、全体を含めて、今はあまり目にすることがなくなった里山の風景として捉える方がいいかもしれない。

 先程も紹介した野鳥のさえずりや、生い茂る雑木、いつかどこかで見たような気がする草花はやはり里山の雰囲気だし、拾い集めた薪(たきぎ)を背負子(しょいこ)に背負った野良着姿の村人がそのあたりから現れても何ら違和感はない。昭和の30年代あたりで普通にあった里山を舞台にしたワンシーンが描けるかもしれない。

 また、散策路のところどころには「あずまや」や展望デッキがあり、そこから望む桜山貯水池などの景色も絵になるだろう。

 加えて、姫路市の運営だけに管理がよく行き届いているのも魅力で、しかも園内にはネイチャーセンターという中心施設があって、スタッフが常駐し、利用者への対応に当たっている。本来は自然観察をするための事前・事後学習の場だが、ロケの打ち合わせや準備、進行の拠点としても使えそうなのもうれしい。

 何か特別に秀でたものがあるわけではないが(あくまで映像的に、だが)、姫路市の中心部からのアクセスもよく、近くには姫路科学館、星の子館、県立のこどもの館、桜山公園などがあって、ファミリー向けの文化ゾーンを形成しており、テレビやラジオなど番組を通しての情報発信もまた、お願いしたいところだ。

姫路へ行こう!今月の話題はこれ

【姫路フィルムコミッション支援作品が公開されます。】


姫路城非公開エリア「帯の櫓」で撮影


姫路城非公開エリア「ロの渡櫓」で撮影

 昨年、姫路市内で撮影された姫路フィルムコミッション支援作品の劇場公開についてお知らせします。是非、劇場でご覧ください。

映画 「関ヶ原」 平成29年8月26日(土)から全国一斉公開

 姫路市内で撮影された映画『関ヶ原』が8月26日から全国の劇場にて公開されます。
撮影は姫路城・書写山円教寺・亀山御坊本徳寺・好古園・鷺の清水にて行われました。物語の舞台は天下分け目史上最大の戦い「関ヶ原」で石田三成役(岡田准一さん)と徳川家康役(役所広司さん)がいかにして世紀の合戦を迎えるのか描かれます。特に姫路城では普段公開していないエリアを中心に撮影。伏見城や大坂城などとして様々なシーンで劇中登場します。原田監督が25年構想した超大作を是非、劇場でご覧ください。

■劇場公開日:平成29年8月26日(土)
■撮影日:平成28年9月5日〜10日・9月26日〜28日
■撮影場所:姫路城・好古園・書写山円教寺・亀山御坊本徳寺・鷺の清水
■出演:岡田准一、有村架純、平岳大、東出昌大、役所広司   
■原作:司馬遼太郎「関ケ原」(新潮文庫刊)
■監督・脚本:原田眞人監督
■配給:東宝=アスミック・エース

前のページへ戻る

新着動画

Copyright(C) Himeji Film Commission. All Rights Reserved.