メールマガジン

最新の記事

2014/12号

目を見張る壮大な外観。今も息づく大庄屋の屋敷、佐野邸

(姫路市夢前町新庄)




 夢前町新庄。「新庄の桜並木」と呼ばれる夢前川沿いの桜の名所の、その少し先に佐野邸がある。

 佐野家は初代清左衛門が徳川四天王の一人、榊原康政に仕え、康政の孫忠次の姫路転封に伴って姫路に移ってきたが、やがて榊原家の重臣である中根氏に預けられ、五代目の権太郎なる人物が藩命によって賀野庄新庄村での新田開発に取り組んだのだという。以来、佐野家は大庄屋格としてこの地に重きをなしてきたが、その子孫が昭和62年に建物と敷地を当時の夢前町に寄贈。合併に伴って姫路市に引き継がれ、現在は姫路市の重要有形文化財に指定されている。

 建物(主屋)は木造平屋建、入母屋造茅葺(現在は銅板葺)瓦葺下屋付きで、江戸中期頃の建築と伝えられ、平成元年から2年にかけて建物全体が修復されている。

 南側を接客の場、北側を家族の生活の場とはっきり区分する西播磨地方の一般的な庄屋風の造りで、南側は土間に続いて店の間、玄関の間、中の間、上の間とあり、玄関の間へと入る式台周辺や、床の間・書院などを備えた上の間あたりはTVドラマ「水戸黄門」あたりにしばしば登場した〓庄屋さん〓の屋敷を彷彿させる。中の間、上の間から望む庭園も華美さはないが、しっとりとした落ち着きを醸し出しており、いかにも村の庄屋らしい質実な趣がある。

 家族の生活の場となる北側部分には炊事用の竈(かまど)などを備えた釜屋や仏間などがあり、こちらもかなり時代を遡って映像に取り込めそうである。

 そのほか伝統的な和の住まいの味わいである陰影の美が随所に見られ、障子越しに差し込む柔らかな日差しなどにもハッとさせられるが、やはり佐野邸の一番の魅力は壮大な屋敷の外観だろう。長屋門を構え、高く積まれた石垣の上に巡らせた白い漆喰塀の上に主屋の入母屋造の屋根が姿を覗かせ、さらにその西側にイチョウの大木が天を衝いてそびえ、傍らにはたおやかな枝ぶりのイロハモミジ。とりわけ訪れた11月後半は、いずれの木も鮮やかに色づき、その豊かな風情に思わず息を呑むが、うれしいことにまわりが田畑で、〓引き〓たっぷりあるので、パノラマチックな映像を取り込むことができる。江戸時代から戦前にかけての大地主の屋敷という設定に、申し分のない条件を備えているのである。

姫路へ行こう!今月の話題はこれ

「ヒメナリエとひめじ官兵衛大河ドラマ館へいこう!」(姫路市内)


ヒメナリエ


ひめじ官兵衛大河ドラマ館


寄生獣

 いよいよ冬本番。来年の足音が聞こえてきました。今回は、冬の風物詩ということで、みゆき通りをいつもと変わった目線で楽しめるHIMEJI Wintopia MIYUKI(愛称:ヒメナリエ)と、公開が残すところあとわずかな「ひめじ官兵衛大河ドラマ館」の魅力をお伝えします。

 市民の皆さんに親しみのあるヒメナリエは今年で12年目。来年1月16日までみゆき通り商店街の天井を美しく彩ります。
ヒメナリエは、みゆき通り(延長540m)や西二階町(約320m)といったアーケード街ごとに異なるテーマのイルミネーションを点灯するのが特徴です。
商店街には風情漂う面白いお店が多くあるのも魅力。
お城が美しく見える大手前通りも大変魅力的ですが、この時期の夜は是非商店街をゆっくりと歩いてみてはいかがでしょうか。

 続いては、大河ドラマ軍師官兵衛のドラマの世界を体感できる「ひめじ官兵衛大河ドラマ館」を紹介します。館内は、学習・体感・発見・感動をテーマに4つのゾーンから作られています。
まず、時代背景や人物紹介で官兵衛が生きる戦国の背景を学び、官兵衛時代の姫路城や土牢体験などセットでドラマの世界感を疑似体験できます。その他、官兵衛の戦友であり良き理解者・半兵衛との軍議の風景や官兵衛をとりまく環境や家臣団の紹介コーナーも設置。
官兵衛の生き様を隅々まで覗き見ることができます。
そして、注目すべきはドラマの特典映像です。
主役・官兵衛を務める岡田准一さんからの熱いコメントに姫路でのロケ風景など、ここでしか見られない映像が詰まっています。
残すところあと1ヶ月、今しか見られない軍師官兵衛のドラマの世界をお見逃しなく。

【姫路フィルムコミッション支援作品が公開されます。】

2014年11月29日「寄生獣」全国ロードショー
2015年4月25日「寄生獣 完結編」全国ロードショー
日本マンガ史上最高傑作と言われ、世界中に熱狂的なファンを持つ
「寄生獣」の実写映画化が決定!
物語は、人間に寄生する「パラサイト」という生物と高校生・泉新一と彼の右手に寄生した“ミギー”の奇妙な友情と戦いを描いたもので、監督の山崎貴さん(「永遠の0」)をはじめ、日本最高の技術を持つ制作陣で固められて作られた注目の映画です。
姫路では飾磨区にある山陽内科クリニックと中央卸市場の東側・山陽電車線路を挟んだ場所にあるアパートでロケが行われました。
皆さんがいつも利用している風景がどう変化していくのかお楽しみに!

■原作:岩明 均「寄生獣」(講談社刊)
■脚本:古沢良太/山崎 貴
■音楽:佐藤直紀 
■監督・VFX:山崎 貴
■出演/染谷 将太 ほか
■撮影日/2014年4月18日 
■撮影場所/線路沿いアパート・病院
■配給/東宝

前のページへ戻る

新着動画

Copyright(C) Himeji Film Commission. All Rights Reserved.